佳村萌といえばsimの最新作でfeatureされている女性、あるいは
林海象の『夢見るように眠りたい』に出演していたことくらいしか思い浮かばないのですが、どういう人なのでしょう、女優？ヴォーカル？とまぁよくわからずにこのCDを買った理由は鬼怒×勝井の
まぼろしの世界とのコラボということもありますが、僕がかなりよく参考にしているサイトの管理人の方がレヴューを書いていて興味を持っていたからです。simとの共演はコンチ企画のオムニバス収録の曲しか聴いていないのですが、ストイックなsimの音に寄り添うように無機質なヴォーカルを乗せていたように思います。しかし、このCDではもっとおおらかに優しく柔らかいものに仕上がっています。朗読と歌の間を行き来するヴォーカルで、バックはギターとヴァイオリン、
是巨人や
ROVOを想像すると拍子抜けしますが、あと時折ピアノというアコースティックなアレンジ。ジャケットの水彩画のように輪郭の優しい音です。佳村さんの発声や間が丁寧で、鬼怒勝井両氏も丁寧な音作りで飽きることなく聴き終えました。ちょっと他には聴いたことのないような音楽でヤバイとかカッコイイとかいうエクストリームな表現とは程遠い音ですが大切にできる音だと思います。
