CLOSE TO THE STRAIGHT EDGE

formally known?? as ANGLER ON THE HILL

contrarede presents CHAMPION ROAD Vol.2 HIGH PLACES vs WILDBIRDS&PEACEDRUMS@渋谷O-WEST

雨。極小雨だったが傘をさして。渋谷。久々の天一で大分遅めの昼食をとりWESTへ。
SOFT CIRCLE
Hisham Bharoochaのユニット。HishamはGANG GANG DANCEのゲストで見たことがある。E-PADを叩いていた。ドラムセットに座りヘッドセットをつけるHisham。左方にはキーボードスタンドに乗せたギターケースに乗せた色々の機材。そしてギターを携えその機材たちを前にする男。の二人。今回の企画はデュオばかりということか。Hishamのドラムは割とパワープレイというか器用さよりも力強さを感じさせる。そこから繰り出されるディスコパンクやハンマービート、ダンスホールなビートなど、そしてヴォーカルの反復、ギター及びその他機材の彼はループなどで上物パートとベースを担当している。もっと混沌とした音を想像していたがしっかり踊れるオープンで陽なサウンド。低めの声で口ずさむユニークなメロディのヴォーカルが妙に癖になった。
Zach Hill&Carson McWhirter
Hella来日キャンセルから3年半、その後Boredomsとしてやそのついでのソロみたいのはあったかもしれないけど見る機会もなく、ようやっと、しかもこの公演へは追加の出演者として決まったわけで嬉しすぎる伏兵というか。そんなZachのお相手は人数の増えたHellaのメンバー。長髪に髭というサイケななりの彼がZachとどう渡り合うのか、もう音が鳴る前からワクワクして仕方がない。そしてのっけからあり得ないドラミングを披露するZach。その手足は一体どう動いているんだ?とどれだけ凝視しても俺の動体視力じゃどうにもならない。千手観音か…いや観音なんて慈悲深いものじゃなくてもっと鬼のような…鬼神だ!ドラム鬼神!一方のCarsonはといえばギターから只管サイケデリックなノイズを撒き散らしている。2人体制のHellaはSpencerの高速タッピングとZachの高速ドラミングによるストップ&ゴーによってギリギリマスロックだったが、Carsonはタッピングなんてしないでとにかくギターを掻き毟る。ストップ&ゴーのストップをしない。とにかくゴー。そしてZachもゴー&ゴー、それをあの高速ドラミングでやるんだがあんなんやったら普通体壊れるしその前に止めちゃうだろうにZachは止まる気配がない。恐ろしい男だ。叩き過ぎ踏み過ぎのせいだと思うが途中ハットの調子が悪くなってローディが何度もあのスティックが高速で振り回されている真横に行くのだがどうもうまくいかない。そりゃあんな状況で冷静に直せってのが無理な話。最終的に自分で直してた。そんなわけで途中止まるところがあったわけだけどこっちもずっと痙攣してるわけにもいかないから。いやー本当に恐ろしい男だ。
WILDBIRDS&PEACEDRUMS
今年の4月にもDEERHOOFとの対バンがありチケットも買って行く予定だったのだがその日の昼にお花見をしてそのままいい感じで酔っ払い友人宅で飲み続けライヴの時間になっても飲み続けていたため見れなかったWILDBIRDS〜。DEERHOOFはともかくWILDBIRDSはもう見れないかなぁ…と大いに後悔し続けていたわけだけれど、なんとこんなに早く再来日が実現するとは。本当にうれしい限り。WILDBIRDS&PEACEDRUMSはドラムとヴォーカルの二人組。ドラムのAndreas WerliinはRune GrammofonからリリースもあるMATS GUSTAFSSON率いるFIRE!のメンバーでもあり中々凄腕のプレイヤー。そして圧倒的な歌唱力を誇るMariam Wallentinは三種のマイク(普通のとリヴァーブがかったのとバスガイドが使ってるヤツみたいの)を使い分け、更にノンマイクでも会場に声を響かせるという強者。そしてヴォーカル以外ではスティールパンとフロアタム、カウベル、タンバリンなどの鳴り物、そしてベース音がするのだけどどうやって出してんだ…と思っていたらMariamが何か踏んでいる動作の時に音が出ているようなので低音も担当していた。なのでドラムとヴォーカルという編成ながら実際には音のヴァリエーションは幅広い。Andreasのドラムもいかにその簡素な編成でのパフォーマンスにおいて表情を出すか、ということに執心してか緩急の付け方や手数の多少への配分が実に絶妙。最後まで目の離せないパフォーマンスだった。
HIGH PLACES
下ろされたスクリーンには延々荒涼とした湖畔から石を投げできた波紋や波、ボートや人の泳ぐ映像を延々、ステージ真ん中に縦に置かれた機材群の長卓を挟むように向かい合う二人。女の子とおっさんのデュオ。二人ともギターを弾き機材を弄る。おっさんは主にビートを担当しているのか時折スティックでパッドを叩いたりグリグリしたり。女の子はギターを弾いたり歌ったりがメインか。女の子の歌が浮遊感のある可愛い歌声で(ルックスも可愛い…)ギターやうわものもかなりキラキラしている。一方で打ち込みと人力のパッドを合わせたビートはかなり荒々しくGANG GANG DANCEやANIMAL COLLECTIVEに通じるものがある。ブルックリン、LAに引っ越ししたみたいだけど、まさに今旬の音。今日の出演前三者と比べ生のドラムが無いせいかノリ切れない部分も多少あり途中睡魔に勝てず真ん中半分くらい寝てしまったのだけど。何というか音がダマになっていたというか正直ステージ上でのアクションと出されている音の連関をうまく見出せなくて集中力が途切れたというか。
終演しWESTを出ると結構降っていた。傘を持ってきてよかった。