CLOSE TO THE STRAIGHT EDGE

formally known?? as ANGLER ON THE HILL

1.あがた森魚/俺の知らない内田裕也は俺の知ってる宇宙の夕焼け

俺の知らない内田裕也は俺の知ってる宇宙の夕焼け

俺の知らない内田裕也は俺の知ってる宇宙の夕焼け

2.TINARIWEN/TASSILI
Tassili

Tassili

3.FLEET FOXES/Helplessness Blues
Helplessness Blues

Helplessness Blues

4.Unbeltipo/Uncle Bunny Tongue
Uncle Bunny Tongue(バーニー伯父さんの喋り方)

Uncle Bunny Tongue(バーニー伯父さんの喋り方)

5.SEUN ANIKULAPO-KUTI & EGYPT 80/From Africa with Fury:RISE
From Africa With Fury: Rise

From Africa With Fury: Rise

6.BATTLES/GLOSS DROP
Gloss Drop (WARPCD212)

Gloss Drop (WARPCD212)

7.山本精一/ラプソディア
ラプソディア

ラプソディア

8.細野晴臣/HoSoNoVa
HoSoNoVa

HoSoNoVa

9.サイケ奉行/サイケ奉行 御出座!!
サイケ奉行御出座!

サイケ奉行御出座!

10.DEERHOOF/DEERHOOF VS EVIL
Deerhoof Vs Evil

Deerhoof Vs Evil

今年も良い新譜が多かった。年末にこうやって今年もたくさんいいのが出たなぁ、これを入れないのは心苦しいなぁという葛藤を経てなんだかんだ今年もいい年だったと感じる。それがこのわざわざ優劣つける形で出すベスト10の意義だったりする。の。かも。しかしながら今年は言うまでもなくあんなことがあった年なわけで図らずもそれが反映されたりしているかもしれない。1位のあがた森魚、彼はこのアルバムの他に2枚も出している。現時点で3枚目は未聴な為コメントできないが、A型タンゴと称されるタンゴ編(俺の〜はA型パンク)の「誰もがエリカを愛している」これまた2位にしたいくらいの傑作だった。同様に山本精一も昨年のPLAYGROUNDと表裏をなすかのようなPLAYGROUND acoustic+をリリースした。これも年間ベストに入る傑作と思うが、それじゃ面白くないのでどちらもより重要だと思った方のみをランクインさせました。それじゃダメじゃんか、面白いかどうかではなく純粋に音楽として良かったものを選ぶべきなのではと思う節もあるのだけど、年間ベストなんてそもそもが年末の振り返り行事としてのみ機能するもので、その時の気分によることもあるだろうし明日にもその評価がひっくり返る可能性だってあるからパッと見て面白いかどうかを優先した方がいいだろう、というところに落ち着いたわけで。そんなわけであれもこれも入れたいという自家中毒てきな欲からその2枚を除外する運びとなったわけで、何が言いたいかというと、とにかく今年はあがたさんに尽きると。少なくともトラウマになるような出来事で深く沈みがちな気持ちを仄かに照らすようなあがたさんの滋味溢れる歌声とメロディ、同居するユーモアに何度でも救われたわけで。聴いた回数でいってもこれが一番なのだと思う。TINARIWENの新作はアコースティックギターに持ち替えその鋭さやサハラのコブシなどが弱まるかと思いきやそんなことは全くなく、彼らのいなたさはそのままに深い歌声がゆっくりと沁み渡っていく感覚は素晴らしいものである。ここにラインナップはしていないが新譜が素晴らしかったTV ON THE RADIOの二人の客演も素晴らしい。FLEET FOXESはシアトルのバンドながらどこかブリティッシュトラッドの幻影を感じさせる響きで魅了してきた彼らが地に足をつけ過去の参照だけに留まらずパーソナルな歌声とアメリカーナな感覚を今までの音にごく自然に溶け込ませてきたようで、それがこれからの尻すぼみしないであろう彼らの歌い手としての第一歩に感じられたのがとても良かった。Unbeltipoは演奏がどんどん有機的になっていく、トリオとしての丁々発止のグルーヴが更に感じられる素晴らしい作品。ジャケットもカッコいい。SEUN KUTIはライヴも素晴らしかったがENOをプロデューサーに迎えたアルバムも素晴らしかった。偉大な親父の遺伝子を正統に受け継ぎながらも、親父の猥雑さや汗みたいのは抑えられる一方でクリアでタイトな音像を表している。これまでも数多のフォロワーによるアフロビート作品が生まれ続けてきたわけだけれど、どこかフェラとの比較することでどうもピンと来なかったりということが多かったが、ようやっとオリジナルに引けをとらないアフロビートが生まれ、アップデートされたように思う。まだ若い(同い年かな)のでこれから更に進化して欲しい(兄貴はまたちょっと違う路線ではあるけど頑張れ!)。BATTLESはタイ脱退後どうなるかということがとにかくトピックだったわけだけれどゲストボーカルを入れてみたりと、花形がいなくなり無骨なハードコア男3人、タイが残した実験性やポップネス、脱退したことによるその穴をどう補うかという試行錯誤と彼らのハードコア魂の融合がとても良い形で昇華されたアルバムだと思う。タイのソロも素晴らしかったし、結果的にこの別れはそれぞれがいい方向に収まったのではと一ファンとして胸を撫で下ろさずにはいられない愛らしい作品でもある。山本精一は今回もうたもの、うたものが続くので前作の時の待望感などがないため多小順位は下がるのだけど、内容としては同様に素晴らしいと思う。羅針盤以降の歌の不在を思えばこれだけコンスタントに歌ってくれる山本さんはとてもありがたいわけで。インタビューで語っていたAOR感は特に感じられなかったのだけど、少しya-to-iっぽさを感じられたからその辺りがそうなのかも。細野さん、コンセプチュアルでないうたものアルバムはHOSONO HOUSE以来らしい。そうなのか…あまりそういう感じもしないのだけど。とてもいい具合に力の抜けた素敵な曲が揃ったアルバム。サイケ奉行はとにかく痛快の一言。津山さんのサイケ/プログレ趣味全開の音と彼のユーモラスな人となりを表わすような時代劇要素。ここまでやりきってくれないと楽しくないよなってことで、メンバーも個人的にツボな人ばかり。DEERHOOFはいつも通りの安定した可愛らしさとガチャガチャなポップソング、いつも通りサイコー、とにもかくにも曲が良くて特にSUPER DUPER RESCUE HEADS!は胸キュン必至曲だけれど、コンゴトロニクスvsロッカーズのライヴでも演奏していたのが特に印象に残っている。というわけで。こんな感じ。来年は南米ものをもっとたくさん聴きたいです。