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formally known?? as ANGLER ON THE HILL

図書館/図書館の新世界

図書館の新世界

図書館の新世界

図書館というグループは田中亜矢、宮崎貴士、イトケン、近藤研二の4人からなる。田中亜矢はSSWとして、宮崎貴士はSSWやグレンスミス、イトケンはd.v.dトクマルシューゴ、harpyなど挙げればキリがない程の活動があり、近藤研二も栗コーダーカルテットハイポジなど多岐に渡る。それぞれの活動が既に評価を獲得してきたものだけにこの4人が集まった図書館という親しみのある言葉でありながらグループ名としては奇妙な集団は一体どういう音楽を奏でるのだろうとワクワクしてしまう。CDを手に取ると、ラベルが印刷されていたり右から開くケースやブックレットであったり…と図書館の本を摸された意匠に顔が綻ぶ。最近では殆ど行かなくなってしまったが図書館という空間のあの柔らかくゆったりとした空気の流れがとても好きなのだけれど、この図書館の音楽にはそれが収められている。田中さんの優しく丁寧でありながら凛とした歌声と三氏の大人から子供まで親しみを持てる演奏が主に宮崎さんの書くグッド・メロディと第5のメンバーといってもよい作詞担当の足立守正の詞による歌を紡いでできた小品集。どれもふと手にとってみたくなるような曲ばかりで、それを並べた本棚はやはりこの音楽を愛する司書達が丁寧に作り上げた図書館のそれなのである。お休みの日にふと足を向けたくなるような、そんな図書館のような音楽。奇妙なグループ名と先に書いたが聞いてみれば奇妙でも何でもなく驚くほど図書館然とした佇まいで、それはポップミュージックの何たるかを知りつくした彼らだからこそ醸し出せるのかもしれない。