CLOSE TO THE STRAIGHT EDGE

formally known?? as ANGLER ON THE HILL

オフ。これが今年の夏最後の妻と丸一日過ごすお休みになるか、と。そうして下北に移住してからずっと行こうと思っていた等々力渓谷へ。近所の気になっていたお蕎麦屋さんでお蕎麦を食べて、三軒茶屋まで歩く。サミットを過ぎたあたりで向こうにデモかな、と思えるような群衆があって音も鳴っていたから少しワクワクしたのだが近づいてみるとどうもそうでない。蛍光のゼッケンを着た老人たちの前にマーチングバンドが何故かホットスタッフを演奏している。交通安全キャンペーンの隊列だった。「ホッスタッ!」と口ずさむ僕と諌める妻がその先で見たのは一日警察署長の小林麻耶とピーポ君。面白いものに出くわした。小林麻耶の屈託のなさは路上でも健在である。見事だ。三茶から二子玉、大井町線に乗換等々力。等々力の駅は郊外の小さな駅。そこから歩いて5分もしない場所に等々力渓谷の入口はある。虫よけを振って見事なゴルフ橋の脇の階段を下りた瞬間からそこはまったくの別空間である。このカットインのように現れる自然を散策しながら、しかし渓谷の上の方を眺めると住宅街の端が顔を見せていたりするから不思議だ。環八の下を通ったりするなど渓谷の自然感に浸りきらせないギリギリのところがとても面白い。小さな滝や茶屋などの観光地感との引っ張り合いなのだ。そして歩いていると徐々に住宅街に入っていくようなフェイドアウト感もまたいい。フェイドアウト部の脇の庭園をのぼるとささやかながら丁寧に整えられた芝生の広場がある。高台にあって気持ちがいいからかシートを敷いてピクニック気分の人々がちらほら。我々も持ってくればよかったがこんな場所があるなんて知らなかったから今度来るときそうしよう。ベンチでしばし寛いで来た道を返す。三茶の無印でカゴを買って帰る。いい一日だった。