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遅番。最近は春めくと下北を駆け巡った二度の春を思い出す。春も夏も秋も冬も。あの隙間風含め風通しの良すぎる、喧騒に塗れた、しかしひっそりとした日々を思い出すと胸が締め付けられる。家を出て初めて暮らした場所、入籍して、結婚して、子供が出来た。思えばひっそりと目まぐるしくそして相変わらず鬱屈としていたが存分に楽しんでいたと思う。今の暮らしはこれはこれで面白く快適ではある。どちらも替え難いものだ。思うのは今年の春のこともいつか思い出して胸が締め付けられるようなものになるのだろうということ。

Avalon

Room

First Cut