CLOSE TO THE STRAIGHT EDGE

formally known?? as ANGLER ON THE HILL

FUJIROCKFESTIVAL10 1日目

暑さに起こされる。朝一はオアシスでカツカレーを食らう。
Super Fly(Green Stage)
2曲ほど。なんつーか「THE J-POPのコンサート」的なノリが最初はいいが長く見ていられるものでもないので早々に移動。
キセル(Field of Heaven)
オレンジで用を足してからキセル。今回はバンドセットでした。キーボードはエマーソン北村、ドラムはニコニコしながら叩くのが印象的な小柄で大人しそうな女性。lakeの北山ゆう子さんだそうな。lake一度見たことあるが流石に気付かず。サポートがあまりにも自然で昔から一緒にやってきている感じが出ていてよかった。新譜からの曲が多かったのでしょうか。ギンヤンマくらいしかわからなかったがそもそもキセルのCDを持っていないので定かではない。ノコギリは弾かなかった。
ヒカシュー(Orange Court)
巻上さんのソロは1度見たことがあるがヒカシューは初めて。ドラム、ギター、ベース、鍵盤の清水一登さんは時折バスクラも。巻上さんは基本ヴォーカルとテルミン、そして時折口琴やポケットトランペットなども使用。ヒカシューの曲は何と言っていいのかとにかく不思議な音楽で、例えば巻上さんだけでなくそれぞれが声で色々な音を出したりする。巻上さんとその他、と勝手に印象を持っていたのですがそういうわけでもなくそれぞれの強烈な個性のアンサンブルによって成り立っているようだった。パイクなどの往年の曲から最近の曲までの時間を超えたレパートリーからも一貫したヒカシューらしさがにじみ出ていてこういうのを稀有のバンドというのだなぁと思い知った。一朝一夕で出来上がるものではあるまい。素晴らしかった。Mも僕も入念のフレーズが気に入ってしまいこの後ことあるごとに念には念を入れるのであった。
青葉市子(Gypsy Avalon)
ノザワさんやシオノさん、つっちーけんちゃんもいる。青葉市子、正直ラインナップされるまでまったく知らなかったのですが、マイスペで試聴して見てみようと思った次第。髪の長い小柄な女の子。フィンガーピッキングのギターに透き通った柔らかい声、衣装なんかも含め湯川潮音に通じるものがあるが、もっとギターは上手いし曲調も割と暗めでニック・ドレイク的。独特の語り口のMCも何だか癖になりそうです。良かった。
LOCAL NATIVES(White Stage)
こちらもラインナップまで知らず。カリフォルニアの人たちです。今そこかしこにあるビーチ・ポップの流れにあると言っていいでしょう。ドラム、ベース、ギター二本、キーボードにスタンディングドラムなど。キラキラ感も含めFEELS期のANIMAL COLLECTIVEを彷彿させます。思えばビーチ・ポップの萌芽はアニコレにあったのだと実感。口髭の男がヴィジュアル的に最高。なかなか面白かったです。
THE ENTRANCE BAND(Field of Heaven)
ところがその後のTHE ENTRANCE BANDの衝撃によってLOCAL NATIVESは正直あまり印象にのこっていないのです。ということで今回一番楽しみにしていたといっても過言でないTHE ENTRANCE BAND。日本ならともかく海外のバンドでここまで60年代末〜なヘヴィサイケはなかなかないんじゃないでしょうか。猫も杓子もサイケサイケ、蓋を開けてみれば浮遊感のあるシンセ音のみなんてがっかりもいいところ。そんな2010年のFUJIに降臨した彼ら、風貌も見事。ベースは女の子なのだけどこれがまたかわいいのにかなり気合が入って台に上るわ足はパカパカしてるわでしかも超ミニのワンピなもんで前にいたエロ外人も大喜び。髪がモジャモジャになったギターヴォーカル、左利きでジミヘンかと。想像以上の爆音に頭クラクラしました。完全にファンになりましたわ。
JAGA JAZZIST(White Stage)
チャットモンチー凄い人。に脇目も振らずJAGAへ。ステージにはOne-Armed Banditのジャケのフルーツなどのモチーフが其処かしこに配置。ちょっとしたスペシャル感。ライヴ自体も新譜からの曲を中心に。締めはやはりOslo SkylineならうFujirock Skyline。途中恐らく開催中一番の雨が降ったせいとやはり昨年の単独公演のセットとの比較になってしまい物足りなさを感じずにはいられなかった。しかしながら靄靄した野外、周りを見渡すと木々、山、というロケーションにはそれこそJaga Jazzistの音楽が実に絶妙に溶け込み、その感動、Jaga JazzistをFujiで見たいという長年(そこまで長くもないが)の夢が叶った喜びは一入だった。
Dirty Projectors(Orange Court)
既に始まっていたので遠巻きに眺める。Dirty Projectorsのアルバムは昨年よく聴いた。しかしながらライヴへの期待値というのは実はそこまで高くなく先の単独公演も少し悩んで結局行かなかったくらいだし、今回のフジで見れるのはラッキーだがそこまでの期待はやはり生じていなかった。それを大きく裏切ってくれることへの期待はあったのだけど。実際に見て面白かったのは女性コーラスの掛け合い、録音作品でのアレンジとの違いが出るのはライヴの醍醐味でもあるが、その女性コーラスの掛け合いはCDではまったく聴けないものだったためとても新鮮で面白いものだった。アルバム曲のアレンジは全体的にテンポが遅く逆にそれによってうねりが増幅していたように思う。その点見て良かったかどうかといえば良かったと言っていいだろうが、ライヴ全体で見ればやはり物足りなさみたいなのは残った。
MAGMA(Orange Court)
まぁ正直眠いっつーのもあったかも>DP。でも本当にいいライヴってのは眠気をぶっ飛ばすくらいのものだよね。MAGMA。やはり先の単独公演は見逃してます。これはただ単にチケットが高かったから。高さと自分の思い入れと天秤にかけてしまったから。なのでFUJI決まった時はうれしかったですね。編成は鍵盤2名、右側のプレイヤーはヴィブラフォンも叩く。ギターにベース、コーラス女性2名男性1名にドラムはChristian Vander。演奏が始まると台から降りてフロントに出てきて戻って、を繰り返す圧巻のコーラス隊。各人のテクニックとその圧倒的な音の塊に、眠気の限界を行ったり来たりしながら只ならぬものを感じる。ずっとそれ、正直悪夢である。そして聞き覚えのあるキーボードのフレーズ、M.D.K.これで完全に覚醒する。いいライヴってのはやはり眠気をぶっ飛ばすのだ。悪夢から生還すると人の脳は異常なアドレナリンを発するのか、もうとにかく目の前で行われている悪魔の祭典にただただ体を任せるのみ。儀式的な禍々しさと、宇宙を一瞬でワープするようなトランス感覚、変拍子も単純なストップ&ゴーではなく圧倒的なグルーヴの骨格として異常なまでに肉体に訴えかけるようだ。そしてヴァンデが歌い始めるともうそこはコバイア星。ただ立ち尽くす。頭真っ白。これまたすぐ見たいか?と言われても当分は遠慮したい。それだけのインパクトがあった。MAGMA、あまり安易にこの言葉は使いたくないのですが…ヤベー…
!!!(White Stage)
MAGMAで放出されたアドレナリンを携えて!!!へ。!!!結構好きですがライヴを見るのは初めて。鍵盤、パーカッション、管楽器までこなすマルチプレイヤー揃いのバンドとユニークな動きでフロアをロックする短パンのフロントマンに!!!のFUNKNESSの黒さの部分を支えるような小柄ながら存在感バリバリの黒人女性ヴォーカル。とにかく動きまわるフロントマンのNickの動きにくぎ付けであれはちょっと真似したくなるレヴェルの面白さ。動きを真似したくなったのはカールハイド以来か。時折飛び出すサイケなギターなど!!!がBlack MusicではなくWhite Funk、つまりグルーヴで腰を揺らすというよりはリズムで痙攣するというJames ChanceやGang of Fourの系譜にあるという印象を持った。!!!いいバンドだ。
Mad Professor(Planet Groove)
ヘトヘトになりながらもとりあえずアリワ教授のレゲエを浴びてから帰りたい、とタコライスを食ってからマーキーへ。おそらく息子と一緒に矢継ぎ早にレコードを換えテープ逆回転やエコーを効果的に飛ばすズブズブながらも割と明るい音作り。これがアリワサウンドなのか…と納得したところで疲れもピークに。帰幕。