POPだという前評判で1曲目が「
翼をください」というから、どんな出来なのかまったく読めなかったが、いやぁこれはやっぱりPOPというには悪意
*1が強すぎる気がする。紛れもなく失点以降の
ECDの音だ。これをPOPといってのけるライターはいろいろ音楽を聴きすぎて感覚が麻痺しているか、あるいは悪意の転嫁であろう。POPであるといってしまう気持ちもわからないでもないのだ、確かにそう思わせる要素はここかしこにある。しかし聴き終わった後のどうしようもなく落ち着かない感覚。思い出したのは
ゆらゆら帝国の『空洞です』。アレに匹敵する不快にもならなければ快感を得ることもない、希望も諦めもない、どっちつかずで行き場を失ったどうしようもなさ。POPに見えるのはそういう皮を被って目的もなく不安に陥れるだけの不気味な何か、何かとは何者でもない、
諸星大二郎的に言えばモノとしか言いようのないものであるが、そのモノがそうさせる。必聴。