CLOSE TO THE STRAIGHT EDGE

formally known?? as ANGLER ON THE HILL

Antony and the Johnsons/I Am a Bird Now

I'm a Bird Now

I'm a Bird Now

Bjorkの最新作『Volta』にヴォーカルとして2曲*1参加し、素晴らしいデュエットを聴かせているAntony Hegartyのバンドの二枚目アルバム。楽器としての扱いでの声はMedullaでいくらでもあったが、ヴォーカルとしての声がBjorkとしかもデュエットで聴こえたことに少し驚いた、が、それよりもこの人のヴォーカルの表現力の方にもっと驚かされる。とにかく深く、瑞々しく、悲しげな彼?のヴォーカルはBjorkと並んでもまったく聴き劣りすることなく、むしろその曲の壮絶な印象はBjorkではなくAntonyから与えられたものであり、その歌を脳内再生する場合、それは必ずAntonyの声でされる。それだけの声の力を持った歌い手。そして本業のこのand the johnsonsではもちろんBjorkのそれで発揮されている過剰なまでにエモーショナルなものとは異質で、アレンジはクラシカルな簡素なもの、メロディはもっと緩やか。しかしそこに生まれる悲しみはやはり深く、存分にかけられたビブラートはその悲しみの襞の発露である。彼の悲しみがなんなのか、それは知らない、ただそれに触れればその悲しみに横たわるように遠くを見つめる。ベッドに横たわる女性は何を想う?

*1:M3,M10