CLOSE TO THE STRAIGHT EDGE

formally known?? as ANGLER ON THE HILL

オフ。お天気良好、肌寒い。秋だ、完全に。昼前、毎週のように行こうとして行かなかった千葉は佐倉、DIC川村美術館で開催されている五木田智夫のGreat Circus展を見に遠路はるばる。ミスドでドーナツを買い込んで電車に乗り込む。渋谷から山の手線、日暮里で京成線に乗り換える。ここから1時間かかるんだから遠くなのだと。座って寝たり起きたり本読んだりしながらお尻も限界に近づくくらいの遠路。大きな風車が見えたところでようやく着くと感じる。佐倉は旧城下町のようで観光スポットなどたくさんあるそうで。でも少し出遅れているしついでに観光している暇はない。ところが駅から美術館まで出ているシャトルバスは行ってしまったばかりでしかも約1時間に1本という少なさ。歩いて行くには…と地図を確認するも到底歩ける距離ではない。次のバスまで50分ほど、どうやって時間を潰すのか。とりあえず駅周辺を散策。ファミレスとカフェを発見。最悪そこで待とう。ここで城下町のことを思い出し、ちょっと観光してみるのも?と思うがこれもそんなに駅から近いわけでもなく行って帰ってバスがまた行ってしまっては元も子もないので断念。仕方なくコンビニで行楽のお伴のお菓子など買って(じっくり選んで)、そういえばと買ってあったドーナツをコンビニの軒先で頬張る。それにしてもバスターミナルがあるのにベンチがひとつもなくて、駅周辺に少し座れる場所なんてまったくなく。もういつぶりかわからないがコンビニの軒先で何かを頬張る破目。切ない秋の陽気。そうこうしているうちにバスの時間まで20分を切ったのでシャトルバスのバス停(ここにもベンチはないのでガードレールにもたれる)でぼんやりと待つ。やっとバスが来た頃には僕の後ろに2名ほど。こんなド平日のド田舎の美術館に自分以外も来るのだ、と五木田さんの大きさを感じる。バスはグっと坂道を上っていく。上った辺りにお土産屋さんなどが並び少し観光地風情が高まる。駅前の何もなさはいったい何なのだろうか。上って下りてJRの佐倉でまた何人か拾う。こちらのバス停は屋根もベンチもあって立派だ。格差社会。その先はどんどん田舎道、くねくね山道を抜け、一面田んぼ、そしてちょっとした森に美術館はあった。池のある割と大きな公園の中にある。建物自体はそれほど大きくない。内部はわかり辛く受付を済まして何となく進むと常設展の迷路であった。最後の最後にお目当ての展示に行きつく。展示は黒、青、ペイント、集合体、淡い水彩、布、とわかりやすくセクション。メインはやはり黒と青。これが塗料の質感など実際に見てみないと出てこない像が迫るようでものすごい迫力とユーモアと不安に襲われる。シュルレアリスムと抽象の間を行くような眩暈を覚える。これは頑張って来てよかった。展示を見終え出ると何のことはない入口でまっすぐ進むのでなく階段を上ればよかったのだと今更気付く。出たところでもしや帰りのバスも1時間感覚なのでは???と思い時間を調べるとまさにその通りでしかも今まさに出んとするところ、走っても間に合わない。まさか往復で同じ過ちを繰り返すとは…入館する前に調べておくべきだったし普通は行きに失敗した時点でそうしている。自分の学習能力の低さに少し笑えてくる。幸い天気も良いので池の淵でぼんやりした後公園を散策。2種の池と大きな広場の真ん中には彫刻があったりして中々寛げる。秋の空気をこれでもかと吸い込んでバスの時間。もう来ないかな、また来るかなという軽い感慨はこの田舎道からだろう。朝霧のシャトルバスなんか少し思い出したりして。で、寝る。バスが着いたような気配に飛び起きてバっと降りるがどうも様子がおかしい。JRの方で降りてしまったようで慌ててバスの扉を開けてもらう。流石にここでの降り間違いはまぁ帰れるこた帰れるんだが痛すぎるので間一髪。というわけで暗くなり始めた佐倉に別れを告げ空港からの大荷物で座れない電車に長々と1時間立ちっぱなしかなぁと途方に暮れながら、と思ったら半分ほど座れた。そんなこんなで片道2時間、待ち時間も含めると3時間弱の旅はおしまい。帰って一杯。